ミヤコタナゴ2

梅がきれいです

今日の都筑区、朝はいい天気で青空が広がっていましたが、
お昼過ぎから雲が出始め、どんよりとしてきました。
夕方から久しぶりに雨となるようです。
今日も暖かいですね。
 
さて、本日の一枚は山田富士公園で撮影した1枚です。
ご覧の通り梅の花がとてもきれいに咲いています。
昨年もこの場所の梅を撮影しているのですが、2月24日で
こんな感じでした。2週間以上早いんですね。
 

2006年2月24日の日記はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/tsuzukinomori/20060224

 
ところで、昨日予告しました通り、今日は国指定の天然記念物
「ミヤコタナゴ」の生態についてご紹介してみたいと思います。
 
まずはミヤコタナゴという魚について。
昨日茅ヶ崎小学校でいただいた資料から抜粋します。
 

【ミヤコタナゴ】
 

 
ミヤコタナゴは日本特産のコイ科の淡水魚で、成魚の体調は
約4〜5センチ程度。関東地方に広く分布していましたが、
生息地の破壊等のため激減し、国の天然記念物に指定されました。
現在の自然生息地は千葉県や栃木県等のごく一部の水域だけに
なってしまいました。
 
横浜産のミヤコタナゴは、昭和51年都筑区勝田町の権田池で
発見されましたが、池が埋め立てられたため、権田池を最後に
自然にみられる場所からは姿を消してしまいました。
 
権田池のミヤコタナゴはその後、横浜市が神奈川県淡水魚増殖試験場
(現水産技術センター内水面試験場)へ委託し、保護増殖に
取り組んでもらいました。
 
神奈川県水産技術センター内水面試験場HP
「ミヤコタナゴの情報」
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/naisui/miyakotanago.htm

 
神奈川県最後のミヤコタナゴは、都筑区に生息していたものなんですね。
内水面試験場では、権田池にいた最後の生き残り70尾から増殖に成功し、
千尾程度の継代飼育と増殖研究に取り組んでいます。
 
続きまして、昨日話を聞いて一番面白かったミヤコタナゴの生態。
ミヤコタナゴは淡水産二枚貝のエラに卵を産み付けます。

卵を産み付けるのは、マツカサガイやドブガイという貝なんですが
ドブガイってどんな貝かご存じですか?
ワタクシ、名前も初耳ならどんな貝なのかすら見当がつきません。
どれぐらいの大きさなのかを聞いてビックリ。
 
 
 
これぐらい。
 

 
 
 
ええええー!?
そんな大きな貝見たことありません!衝撃的です。
 
ミヤコタナゴを調べると卵を産み付ける貝としてドブガイの写真が
いろいろなところに出てくるんですが、まさかこんなに大きいとは
思いもしませんでした。
 

ドブガイ
http://members.jcom.home.ne.jp/3110447901/shell/html/dobd.html
http://www.toku-mlit.go.jp/river/manabu/ikimono/zukan/teisei/karyu/dobugai.html
http://homepage2.nifty.com/tanago/k02.htm

 
それにしても、ちょっと可哀想な名前ですね…。
 
ミヤコタナゴはこの巨大な二枚貝・ドブガイのエラに卵を産み付けます。
ふ化した仔魚は貝をゆりかごとして成長し、ふ化約20日後(水温20度)
貝から泳ぎ出します。
貝から出た稚魚は池や小川でプランクトンを食べて成長し、
約1年で成熟するそうです。
 
ミヤコタナゴは卵を産み付ける貝がないと繁殖できない、
…ということは、ミヤコタナゴが自然界に復元するためには
ドブガイも一緒に生息できる環境が必要ということですね。
 
ところが、ドブガイが生息するためにはこれまた別の生物が必要なのです。
 
ドブガイなど淡水性二枚貝の幼生は、グロキジウム幼生と呼ばれるそうで
その時期にある魚のヒレに寄生します。
その魚というはヨシノボリというハゼ科の魚です。
 

ヨシノボリ
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/naisui/fishfile/yosinobo.htm

 
なので、ミヤコタナゴを自然界に戻そすには、ドブガイが必要で
ドブガイにはヨシノボリが必要で…と、全てつながっているんですって。
こちらに分かりやすく解説されています。
 

神奈川県水産技術センターメルマガ
「タナゴ・ドブガイ・ヨシノボリの微妙な関係」
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/mailmag/no124.html

 
今回、この話を伺って“自然ってホントに微妙なバランスで
成立してるんだな〜”と改めて考えさせられました。
日本の在来種がどんどんとその数を減らしている原因は、
環境破壊と外来種だそうです。
 
区内でも、たまにかい掘りをして池の掃除を行いますが、
ブルーギルブラックバス、カメなど外来種がたくさん
出てきます。
何度捕獲しても外来種を放す人がいる限り、いたちごっこです。
ペットとして買い始めた生き物を外に放すのは絶対にやめましょうね。
 
元の状態に戻すには、とても長い時間がかかるでしょうが
まずは自分の身近なこと、できることから少しずつ始めて、
自然を守っていく活動が広がっていけばいいなと思った取材でした。