谷の読み方

また雪でした

今日の都筑区は大変寒い1日となりました。
昨夜からの雨が夜中には雪に変わり、午前3時ごろは一面真っ白だったとか。
朝にはほとんど溶けてしまっていましたが、せっかくなので本日の一枚は
雪の降った証拠、溶けかけの雪を撮影してみました。
 
しかし今日は本当に寒かった…。
横浜地方の気温、朝方は1度、午前中は2度、お昼過ぎは3度ですよ。
北風も強かったし、ずっと霧雨状の雨は降り続いていたし、
(しかも夕方からはまた本降りになりました)出かけた人は
大変だったのではないでしょうか。
 
ところで、2月16日に信号機の表示ネタをご紹介したところ、
なぜ?さんからどうして谷をヤトと読むのかというカキコミをいただきました。
ワタクシがぐずぐず(笑)している間に救世主が登場。
 
ふくちゃんさんが詳しい解説をご紹介してくださいました。
カキコミだとたくさんの方にご覧いただけないかもしれませんので、
こちらに全文を転載させていただきます。
 

ふくちゃんさんより

「不動谷」の「谷」は「ヤ」ではなく「ヤト」です。
漢字で標記するときに昔は「谷」の1字が多かったのですが、
「ヤ」と間違えて読む人が多くなったので「谷戸」と書くことが多くなりました。
しかし「不動谷」は昔どおりの標記を守っています。
 
谷戸(やと)」とは、谷あいの低地のことで、地下あるいは地表に水系を持つ
谷戸を含む地名に使われます。ヤト・ヤツ・ヤチ・ヤ・タニ・サワなどは、
いずれも同じように使われる言葉です。横浜周辺は殆どが「ヤト(「谷」
または「谷戸」と標記)」と呼ばれます。鎌倉・千葉あたりは「ヤツ(谷津)」、
栃木・群馬あたりは「ヤチ(谷地)」、東京付近は「ヤ(谷)」と呼ばれることが
多いようです。全国的に「タニ(谷)」は西日本、「サワ(沢)」は東日本に
多いとの報告もあります。
 
従って、「不動谷」は「フドイヤ」ではなく「フドウヤト」と言うのが正しいのです。
都筑区内には柚木谷(ユノキヤト)、葛が谷(クズガヤト)、牛ケ谷(ウシガヤト)、
青葉区にも番匠谷(バンショウヤト)・牢場谷(ロウバヤト)・鍛冶谷(カジヤト)
熊ヶ谷(クマガヤト)などの多くの谷戸があります。
 
谷戸地形は、多摩丘陵下末吉台地鶴見川が開析してできたもので、
もともと横浜市は、いたるところ谷戸だらけでした。
谷戸の数は厳密には数えにくいのですが、横浜市環境科学研究所のレポートによれば、
3751ヶ所もあったそうです。しかし、谷戸の3要素と言われる、
ゲンジボタルホトケドジョウが自生する湧き水の小川」・「青々とした田んぼ
谷戸田)」・「タヌキやキジの暮らす雑木林」がきちんと残る谷戸は、
おそらく10指に満たないのではないか思われます。都筑区内には1箇所のみ某所に
残っているだけです。横浜の原風景である「ヤト」が地名にだけしか残っていないのは
寂しいものです。しかし、せめて地名に残っていることはうれしいことだと思います。
 
「不動谷」は、緑豊かな谷間が底にかつてあったことを地名で現在の人に伝えています。
皆さん、この「ヤト」を大切にしましょう。

 
何という詳しい解説!
ふくちゃんさん、ありがとうございました。
ワタクシも大変興味深く読ませていただきました。
谷をヤトと呼ぶワケをワタクシも一応調べてみましたので、
リンク先をご紹介しておきますね。
 

地名の雑学「谷(や)と谷(たに)の話」
http://ku0811.hp.infoseek.co.jp/newpage-chimei.html#3-19
 
鎌倉 歴史探訪「鎌倉の方言」
http://www.fsinet.or.jp/~fuhchi/history.htm
 
長津田物語
http://www.res.titech.ac.jp/~organic/dabunn/nagatsuta.htm

 
いかがでしょう。なぜ?さん、謎は解決しましたでしょうか!?
ふくちゃんさん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
HPで検索しても、都筑区に関する調査には限界がありますので、
とっても助かりました。今後ともよろしくお願いします!
 
ということで、今回は読者の方と一緒に作ったページとなりました。
(何かとっても嬉しいですね、こういうの)