さて、本日の一枚は荏田東にあるギャラリー・レイオハナで開催されていた
布花の個展「古川さち子展」を撮影してきました。
主催の古川さんから個展開催のご連絡をいただき、早速お邪魔してきたんですよ。
 
あまりにも見事な布花が並んでいたので、今日も1枚ではなく
たくさんの写真をご紹介しています。どうですか、きれいでしょう?
 
みなさんは布花ってご存じでしたか?
布花は山上るいさんという方が確立されたジャンルだそうで、
真っ白な布から花びらや葉の色を染め、コテを使って花びらを作る造花。
独特の色遣いが特徴のアートです。
 
13〜14年前、とある造花屋さんに飾ってあった作品に一目惚れした古川さん。
“その花は…”とお店の人に聞いたところ、「布花」というものだが
売り物ではないと言われ、すぐさま本屋さんで布花の本を探したそうです。
その書店に1冊だけ置いてあった布花の本を頼りに、山上るいさんのアトリエへ
電話をかけてみたところ、偶然山上さんが電話に出られ、いろいろとお話を伺い
すぐに教室へ通うことにしたんだそう。
 
山上さんの拠点は関西だったため、当時電話をかけた表参道のアトリエに
山上さんは常駐していたわけではなく、直接話ができたのは本当に偶然でした。
 
独特の色遣いに導かれるように布花の世界へ足を踏み入れた古川さんは、
その後、山上さんの指導を受け、ついには直々に染色の技術を教わりました。
教室に通う生徒さんは大勢いらっしゃるそうですが、染色を教えてもらえるのは
山上さんから声のかかった10数人なんだそうです。
 
古川さんは山上さんの指導を4年ほど受けましたが、今から9年前、
山上さんが亡くなったことで、一度は布花をやめてしまいました。
数年のブランクの後、あるカルチャースクールの講師をつとめたことが
きっかけで活動を再開。
今では生徒さんに指導する傍ら、意欲的に製作活動をされています。
 
個展は今回で2回目。
山上さんから受け継がれた古川さんの“布花の色遣い”に惹かれて、
浜松や奈良から個展に足を運んだ方もいるそうです。
昨年の個展を偶然目にして、感動のあまりその直後から古川さんの教室に
通い始めた生徒さんもいらっしゃるんですよ。
個展の会場でその方にもお会いしましたが、やはり“運命的な出会い”だったと
おっしゃっていました。
 
生花やドライフラワーにはない布花だけの魅力とは…。
 
花っていろいろな表情がありますよね。
咲く直前の、生命がこぼれ落ちんばかりの繊細さや、
少しずつ枯れていくときの哀愁や、
同じものはひとつとしてないひとつひとつの花や葉の形。
花の一生の間にどこでシャッターを切るか、で見え方が違ってきますよね。
 
その、咲き方や姿形や枯れ方など“花の一瞬”を再現できるのが布花の魅力なんだそうです。
作品を拝見しましたが、葉の少し枯れている様子や花びらの微妙な色の違いなど、
花のある一瞬が見事に表現されていてビックリしてしまいました。
 
布花やお教室について興味のある方は、ぜひ古川さんのHPをご覧くださいね。
最後になりましたが、古川さん、ステキな情報をお知らせくださって
ありがとうございました!
 

アトリエ ポジーHP
http://www.posys.org